塗料主要素のうちの合成樹脂「フッ素樹脂」
フッ素樹脂
フッ素樹脂とは、エチレン重合体の水素原子をフッ素に置換してC-F結合させたものの事を言います。
このC-F結合させたものは、高性能樹脂として幅広い分野に使われていて、耐摩耗性・耐絶縁性・耐候性が優れています。使われている分野としては、化学工業や自動車部品、半導体など幅広くその性能を発揮しています。
外壁塗装などの塗料用については、フルオロオレフィンとカルボン酸エステルとの重合体(FEVES)が開発され、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と比べて耐薬品性や耐熱性が少しだけ劣るものの耐候性が非常に優れているという特徴を持っています。
ビルの外壁塗装や橋梁の中塗り塗料や上塗り塗料などの、対候性の問われる用途で機能性を発揮しています。
最近では、日本ペイントの「4フッ化エチレン樹脂」が既存の紫外線に弱いモノマー(3フッ化フッ素樹脂)を組み替えて耐候性を高めたものとして有名です。
「4フッ化フッ素樹脂塗料」と「3フッ化フッ素樹脂塗料」の機能性の違いは、塗装現場ではっきりと分かるほどではありませんが、どちらの塗料も従来の塗料と比較すると抜群の性能を発揮するものです。
このような高性能な塗料の場合は、施工品質の寄与が大きく影響するので下地処理などの基本的な施工を的確に行うことで、樹脂本来の耐候性能や耐久性能が発揮されます。
高品質な塗装工事をすることで、樹脂本来の性能を発揮することができれば、必然的に塗り替えの間隔が長くなり、塗料の単価が効果であっても長期的に見ると経済的で費用対効果の高い塗料と言えるでしょう。
日本ペイントのフッ素系塗料は、屋根用塗料の「サーモアイ4F」やハナコレクションシリーズの「ハナコレクション300UVファイン」などがあり、エスケー化研のフッ素系塗料には「水性セラタイトF」「水性弾性セラタイトF」などの超耐久・超低汚染型水性塗料があります。