溶剤塗料の危険性について
溶剤は主に石油化学製品であり、その燃焼性は非常に高く、その性質を知るのに引火点と爆発限界をあげる事ができ、溶剤の種類によってそれぞれ異なります。
溶剤の引火点とは、溶剤が蒸発しその蒸気が空気と混合して裸火を近づけたときに燃えだす最低温度をいい、その温度は一般に低く、塗料に最も多く用いられるトルオールで7℃、ラッカーシンナーに用いられる酢酸エチルで-2℃という低温で引火する危険性を持っています。
爆発限界とは、溶剤の蒸気が空気と混合され、その混合物に添加された場合燃料が続くようになるには溶剤と空気との組成が一定範囲内にあることが必要で、この範囲を爆発限界といい、この場合の最高濃度を示す値を上限(%)といい最低濃度を下限(%)といいます。すなわち塗装作業中はこれらの範囲にならないように換気などの安全対策が必要になってきます。
溶剤には毒性もあり、溶剤の危険性には、一般に麻酔などもあります。しかも、習慣性になると神経系統に作用し障害を与える危険性もあります。特に蒸気状態などで呼吸器官からの吸収が多く、人体に及ぼす危険があります。その危険性は溶剤蒸気が粘膜を刺激し、目、鼻、のどなどに障害を与える刺激作用や体内に吸収し中悴神経に作用し、胃痛、耳鳴りなどをお越し、これが激しくなると興奮、目眩、卒倒をお越し生命の危険を生じる事もあります。一般に、この麻酔作用は持続性がなく新鮮な空気を呼吸する事で回復するが、中毒性があるので十分注意する必要があります。
最近ではVOCなどの法律も出来、ますます溶剤塗料への非難の声も出てきています。しかし、それも内部の作業での話であり、外の作業では、まだまだ取り締まることは出来ません。各塗料メーカーも外壁塗装などで使う塗料は殆どが水性塗料にしエコな活動をしています。しかし、耐久性が最も必要で、耐久年数の劣りやすい鉄部や木部などは溶剤を使用するしかないのも実情です。