外壁塗装によって塗られた塗膜の劣化について
塗料は、人の細胞と同様に「生物体」である有機化合物で構成されています。
よって、人が高齢化して衰えるように、塗料も「劣化」していくことは避けられません。
有機化合物は生物体を構成する重要要素とされていて、成分は、炭素・酸素・水素を含む化合物により構成されていて、約10,000種類あります。
人の細胞も同じように、炭素・酸素・水素で構成されていて、人も生まれてから10数年経過して成長し、成熟していきますが、その後は徐々に老化(劣化)が進んでいくようです。
有機化合物である塗料も同様に、液体状態から徐々に硬化し成熟するが、完全に乾燥硬化した状態から段階をへて、徐々に劣化していきます。
この現象は、光や酵素、熱、あるいは他の化学物資により、分子の一部が変性し、分子の鎖が切れることをいい、特に外壁塗装の塗料について考えれば、紫外線の影響が大きいと考えれられます。
変退色
顔料自体が光の影響を受けて劣化する場合、退色・黒変・色合変化の現象が現れます。
塗料全体の劣化については、主要素の良し悪しの影響を受けるので「耐候性」で評価されますが、顔料だけの場合は、光の影響を受けるので「耐光性」と評価されます。
ポリマー劣化
塗膜は時間の経過とともに徐々に劣化し、風化し、光沢を失ってきて硬くもろくなり、付着力が低下します。
塗膜の劣化が進むと付着力が衰え、水や空気を通しやすくなります。日光の直射や気温の上下によって素地が収縮や膨張を繰り返した場合にひび割れやクラックを発生させます。
ポリマーの劣化は、分子の鎖が切断されて分解して粉化します。
その結果がチョーキング現象です。