外壁塗装で使われる塗料の塗膜の付着について
さて、前日に硬化について話をしましたが、外壁塗装をする最大の目的は、「美しさを保つ」ことで、また、性状を保護することにあると思われます。
そのためには、液状の塗料が硬化をし膜状になった後、垂直である外壁下地にしっかりと付着していなくてはいけません。
なので、付着力の良し悪しが塗料の特性を評価する上で、重要な観点になります。
では付着の原理はどのようなものでしょうか?要約して基本的に言ってしまうと「分子間の引力」ということになります。
これは、オランダの物理学者である「ファンデルワ‐ルス」という人が、分子論的な考え方から解明したもので、「ファンデルワ‐ルス力」と呼ばれ、他の分子同士の結合に比べて非常に微弱な結合エネルギーであるが、付着するポリマー(物質)の分子量が非常に多いので、個々の分子の極性基同士が引き合うことにより異なる分子を結合させるエネルギーとなっているそうです。
文章にすると、わかりずらいですね!
塗料について簡単に言うと、液体が乾燥し高分子化するにつれ粘性が下がり硬化収縮しつつ極性が変化します。
一方の被着体(すなわち外壁の下地)については、材の表面の性状によっての違いが一番大きいと言われています。どちらが大きいかというと、塗膜よりも外壁の性状がはるかに影響が大きいそうです。
表面性が悪いと、極端に言うと「ファンデルワ‐ルス力」自体が働かなくなってしまいます。
したがって塗装に入る前の表面処理や洗浄が非常に重要であるということです。