塗料主要素のうちの合成樹脂の「アルキド樹脂」
◎アルキド樹脂
ポリエステル樹脂の一種で俗称「ペンキ」、そう皆さんのなじみの深い名前「ペンキ」です。
生成方法は、無水フタル酸や無水マレイン酸などをエチレングリコールやグリセリン等でアルコール反応させて、水等を離脱させる縮合反応によりつくられます。
この樹脂は、油や脂肪酸で容易に変性することが可能で、油の量によって塗膜の性質が著しく違ってきます。
変性する油の量を「油長」といいます。乾燥の速いのが「短油」やや遅くなる「中油」「長油」さらに「超長油」があります。
- ・「短油」には焼付に使われる「フルタ酸樹脂塗料」
- ・「中油」には「フルタ酸エナメルの展色材」
- ・「長油」が「合成樹脂調合ペイント」です。
この「中油性アルキド樹脂」は溶剤により希釈が可能で、溶剤が蒸発すると空気中の酸素を吸収して樹脂が酸化重合、硬化して皮膜を形成します。
このアルキド樹脂は、無水フタル酸を使うので「フタル酸樹脂エナメル」と呼ばれ、光沢が良く耐候性、付着性に優れていて、一般的には機械や工具の上塗りに使われています。
一般的に良く、ホームセンターなどで見る「日曜大工用塗料」は、このフタル酸塗料を「長油」とした主成分にして、「素人」にも使いやすいように形成したものです。
「合成樹脂調合ペイント」はボイル油を使って、「長油(2種)」「超長油(1種)」のアルキド樹脂塗料が混合されて作られています。1種は「建築物」や「鉄鋼構造物」の中塗り・上塗りに2種は「大型鉄鋼構造物」の中塗り・上塗りに使われています。
注意点は耐アルカリ性が低いのでコンクリートに使うことが出来ません。