塗料の知識・分類できない乾燥方法
乾燥方法には様々な乾燥の種類で区別されていますが、中には分類されない種類の乾燥・硬化方法があります。
それは水を硬化剤とする乾燥・硬化の機構をもつタイプで、次の三種類に分けることができます。
その一つが大気中に存在する水分と反応しながら硬化するものと、塗装時に水を加えてその水と反応しながら硬化するものです。
前者の代表的なのは、湿気硬化形ポリウレタンワニスと無機と有機のハイブリット形のアクリルシリコン樹脂エナメルがあり、後者は無機質系塗料の代表として用いられるセメントにおける水和反応などがあります。
湿気硬化形の場合は、2種類に分けられ、湿気硬化形ポリウレタンワニスで、空気の中の湿気と接触する事で、硬化反応を開始し硬化塗膜を形成します。
湿気との反応性が高く、塗料生産中や顔料中の水分と反応し貯蔵性の不安定な塗料となるためにエナメルを生産できずにワニスのみとなります。
一方、アクリルシリコン樹脂で代表される塗料も同様に大気中の水と反応して硬化するタイプですが、ある種の触媒が存在しないとこので、反応が開始せず安定な状態を保っています。
顔料に微量な水分が存在していても安定した状態を保てるためエナメルとすることができ、使用時に触媒を混合することによって反応を開始し、塗膜を形成する事ができるのです。
これらの示す場合の施工上の注意点として、水との反応性が強く、反応性生物として炭酸ガスなどを発生するため、一度に厚塗りをしたり、湿度の高い条件、含水率の高い下地への施工に対しては注意が必要で、施工は避ける方がいいでしょう。
それを怠ったりすると塗装面に発泡が生じたりし、仕上がりの塗膜が均一に統一しない可能性がでてきます。
セメントによって代表される無機質系塗料は数十ミクロの厚さを持つことは出来ませんが、ミリ単位の塗膜を形成したい場合に用いります。
水を硬化剤とするこれらの水硬性物質は水の存在により、水と反応する水和反応によって、含水ゲルを生成し硬化するものがありますが、この場合には、水は過剰なほど存在する必要があり、不足すると硬化不良を生じる結果となります。
ですので、組成的に保水性を保つとか、水養生をするなどの方法で硬化不良を防止するようにしましょう。